最近。村上世彰の名をニュースで聞かなくなった。 彼はホントに投資の世界から身を退くのだろうか? 別に彼に期待しているわけではない。 むしろ私は彼を醒めた目で見続けていた。 彼が優れた投資家であったのは事実だが、 彼にはノーブレスオブリージュが感じられなかった。 「金儲けしちゃいけないんですか?」 彼の発言は一面では正しい。金儲けは悪ではない。 しかし、力ある者はその力に応じた責任を果たさなければ ならないはずだ。彼にはそれが徹底的に感じられなかった。 「会社は株主のもの」 彼の持論は今も世に信じられている。 しかし、これは間違いだ。 会社は株主だけのものではない。 株主のものであると同時に、経営陣、従業員、取引先、 そういう多くの関係者のものだ。 彼等投資家達は「会社は公器」という良識を葬り去ってしまった。 その結果はあらたな資本主義の危機を招くだろう。 私は村上を見ていて誰かに似ていると思った。 戦前の軍部の高級参謀達である。 辻政信、服部卓四郎、彼等大本営の参謀達も村上と同じく、 学業優秀でエリートコースを走った。 彼等にもノーブレスオブリージュが感じられなかった。 そして暴走し国を滅ぼした。 村上と彼等は薄気味悪いくらい似ている。
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Date: 2006/08/03(木)
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