雨で蓬峠には行けなかったので、 相棒を土樽の駅に送って、越後湯沢の温泉に行く。 とりあえず「駒子の湯」。 川端康成の「雪国」に出てくる駒子から名を取ったらしい。 越後湯沢には駅の中に近代的なスパがあるのだが、入る気になれず入ったこともない。 駅前に「江神温泉」という銭湯があり、 電車で魚沼に通っていた頃はもっぱらここを利用していた。 掘れば温泉が出るというところなので、銭湯と言っても立派に温泉である。 戦前からある風呂で雰囲気は決して悪くないのだが、ただ、ここは熱いのだ。やたら熱い。 それと銭湯なので露天風呂などはなく、壁に囲まれてやや閉塞感がある。 駒子の湯は露天風呂はないのだが、 壁の一面がガラス張りで外の景色が見え、閉塞感がない。 町の甍に雨が降っている。 越後湯沢の温泉街はちょっと寂れた感じがある。 ビジネスマンの視点から言わせてもらえば、 商店街がひとつの店だけ頑張っても無理があるように、 温泉街は温泉街全体で頑張らなければいけないのだ。 温泉街に客を歩かせる。 そういう戦略がなければ成功しない。 成功している例をあげれば城崎温泉である。 楽に歩ける範囲に外湯を幾つか作り温泉街を歩かせる。 歩く客は途中の店にも立ち寄る。立ち寄れば金を使う。 越後湯沢の温泉街も駒子の湯を含め幾つかを外湯と言って宣伝しているが、 それらはつなげて歩ける範囲にあるわけではない。 それと街全体での雰囲気作り。 これがこれからの観光には結構大事な要素であるはずだが、 それが分かっているのかどうか...。 若い頃歩きまわり愛してやまない魚沼だから気にかかるのである。 風呂を出てからへぎそばを食いにゆく。 へぎそば。 この地方独特の蕎麦。つなぎに海草の布海苔を使う蕎麦である。 つなぎに海草を使うだけあって、食べたときの食感はコシコシしていて喉越しがいい。 なんというか、つるりといく。すっきりとした食感がある。 それが、へぎそばである。 東京にも「へぎそば」の店があるがどうもいまいちである。 横浜歌会の忘年会をしている店がそういう「へぎそば」の店なのだが、 どうも、これがいまいち美味しくない。 予約していくと、何時間前に揚げたの?と聞きたくなるような冷えた天麩羅を食べさせられる 店なので、正直言って気にいっていないのだ。 我が師匠の岡部史さんがせっかく予約してくれるところだというのに、 あの冷えた天麩羅は許せん(^^; それはそれとして、とりあえず、へぎそばである。 越後湯沢の駅の東口、駅を出て左の方にある中野屋に行く。 ここのへぎそばは美味しい。 以前、越後湯沢の駅前にも気の利いた感じのへぎそばの店があったのだが、 そこはうまくなかった。数年前にその店はなくなっていた。 あの辺り蕎麦屋は多いのだが、結構、当たり外れはある。 早めの昼食を終えて外に出るとまだ12時。 土産の笹だんごと四合4,078円の八海山を買い、 駅の隣の寺泊直送の海産物の店に行って刺身の貝とハタハタを買って帰る。 今夜の酒と肴である(^^
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Date: 2010/04/29(木)
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