翌日、短歌結社の東北集会に参加するため平泉へ。 月山を出、蔵王を越えて太平洋側にはいると、どうもこちら側の方が天気が悪い。 途中、仙台に立ち寄り、宮城県立美術館でルーブル巡回展を見る。 震災後の東北三県を巡回している小さな展覧会で、 展示されているのも小品が多いが、それでも古代エジプトの彫像とか、いいものがあった。 その後、平泉に向かうが心配していた中尊寺周辺での渋滞もなく、 昼前には会場のホテルに着いてしまった。 とりあえずホテルの近くの店で昼食とビール。 歌会の前には必ず酒を一杯ひっかけて日常モードから歌会モードに切り替えて出るように している。言うならば禊みたいなものである。 東北集会の出席者は18人。 思ったより少なくてホッとした。 歌会は人数が多すぎてもダメで、これくらいが適正規模である。 選者の三井修さんと、仙台歌会の中心で昨年の現代短歌評論賞をとった梶原さい子さんが いい批評をしていて、なごやかながらも活発な意見が飛び交ってなかなか充実した歌会だった。そのあとは、幾つかのグループに分かれ、 「〇〇さんを伐る」という東北集会独特のプログラム。 結社誌に載っているそのグループの人達の歌を読んで、 それぞれの傾向や問題点を指摘しようというもの。 今までこういうものをしたことがなかったので、 ちょっと戸惑ったのだが、なかなか面白かった。 通常の一首一首の批評とは違うので、あらかじめその人の歌をかなり読みこんで いなければ出来ないわけで、その点、ちょっと準備不足だったと反省している。 梶原さい子さんが同じグループで、ここでもいいコメントをしていた。 私の歌についても、自分で気がついていなかった部分についての指摘があり、 結構、ためになった。 こういう経験をすると、やはり同じ歌会ばかり出ていてはいけない、あちこち違う ところに行って、違う人の話を聞かなければダメだということがよく分かる。 同じ歌会にばかり出ていると、井の中の蛙ならぬ井の中の歌詠みになる。 プログラム終了後は懇親会で、一次会が終わるとひと部屋に集まり飲みながらの歌談議 である。私は疲れて途中で風呂に入りに行き、そのあと浴衣に着替えてまた行ってみた のだが、相変わらず喋りまくっていた。 酒もお喋りも際限がない人達である。 このあとさらに何人かは既に閉店しているホテル内のスナックに立て籠もって飲み続けて いた。この人達には、呑み疲れる喋り疲れるということがないのか?(^^; 気がついたら夜中の2時。 まったく東北のウワバミ達にはかなわない。 この人達と最後まで付き合っていると命が幾つあっても足らぬ。 翌日は毛越寺と中尊寺で吟行の予定だったが、 さすがというか当然というか、昨夜あれだけ飲んで喋っているので、 吟行やりましょう−!と本気で言う者はおらず、のんびりと観光をして昼食を食べ解散。 山と短歌で過ごした充実した3日間を反芻しながら500kを突っ走って横浜に帰った。
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Date: 2012/06/22(金)
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