先週の東京平日歌会に行く折、東京駅から会場の浅草橋まで歩いてみた。 日本橋、人形町、東日本橋、そんな経路で歩けば着けるはず。 頭の中に大雑把な地図を入れて東京駅の八重洲口を出る。 もともと下町歩きは好きなので歩くことは苦にならない。 テキトーに歩いていると向こうに川がある。たぶん日本橋川。 川沿いに歩いて日本橋に出る。 近頃、映画の舞台にも使われた日本橋であるが、この川沿いの方角から来たのは初めて。 真正面から来るとのと違って横から来ると、 首都高の下の橋の欄干の飾りがよく見えて日本橋もなかなか綺麗だ。 上にかぶさっている首都高さえなければ、 日本橋は確かに日本の道路起点にふさわしい立派な橋なのだ。 東京オリンピックに間に合わせるためとはいえ日本橋の上に首都高を通すなど、 ずいぶん無粋なことをしたものである。 ここを渡って日本橋、三越の正門の獅子の像はなかなか貫禄がある。 この辺から右の方に行かないと東日本橋の方には行けないはずと思いつつ歩いていると、 地下鉄の入り口があった。歌会に年中遅刻している人間なので、 ちょっと途中をはしょり地下鉄に乗り隣の水天宮へ。 水天宮は都会の一角にでんと残ったような神社である。 周囲をコンクリートでがっちり固めたような感じで、たいして広くはなく、 境内には木立もほとんどない。 子授けの神であるらしく、女性の参拝客が多い。 今さら子供を授かっても困るよな、と思い手を合わせるのをためらっていたら、 中年のサラリーマン数人が来て参拝して行ったので、その後ろについて手を合わせた。 あの中年サラリーマン達も子供が欲しいのであろうか?(^^; ここから人形町を経て東日本橋に出る。 人形町には甘酒横丁という江戸の下町情緒の残る通りがあるということだったが、 行ってみるとたいしたことはなかった。 下町歩きがブームになって、たいして風情があるわけでもないところを、 ことさらに宣伝する向きがあるのであろう。 たぶん、あちらの方角と見当をつけて人形町を東の方に抜けてゆく。 地図はもってないが方向感覚は割りといい。 しばらく歩いていると電柱に東日本橋の地番表示が出てきて、 そこをさらにテキトーに歩いていくと、 薬研掘り不動尊の赤い幟が並んでいるのが見えてきた。 歌会の会場はこの薬研掘りの道路沿いにある。 ここまで来ればもう道は分かるので、歌会の前に昼食である。 もちろん食事だけではだめなわけで、ビールの一杯も飲めるところでなければならぬ。 歌会の前には酒を一杯ひっかけ、戦闘態勢を整えてから歌会に出ることにしている。 言うならば禊のようなものである。禊もしないで歌会に出るなどもっての外である(^^;; ただ、この薬研掘りの通り、食事処は少ない。 歩いていてようやくあったと思うと付近のサラリーマンで一杯だったりする。 会場の近くに蕎麦屋とも洋食屋ともつかぬ奇妙な店はあるのだが、 他で食べたいなと思い、テキトーに歩いていると両国橋の近くに、 ナマステカトマンズというネパール料理の店があったのでそこに入る。 店の中にはヒマラヤの写真とかいろいろ飾ってあり、ネパールの?音楽が流れている。 メニューはカレー料理が中心、酒はネパールビール、インドビールなどいろいろあった。 とりあえず、その日のランチとネパールビールを頼む。 注文を聞きにきた女性はネパール人らしいが日本語が上手。 ちなみに若くて美人である。 窓に向いたカウンターに座ると両国橋の向こうにスカイツリーが見える。 カウンターの隅には、ネパールに学校を作るという寄付の箱があった。 ネパールビールを飲みながらしばらく待っていると、カレーとナンが来た。 チキンとおくらのカレーで、生姜が入っているのが変わっている。ネパール風なのか? 食べてみると、なかなか美味しい。 ただ、思ったほど辛くはなく、日本人向けにアレンジしているのかもしれない。 ナンを千切ってカレーにつけて食べるのだが、ナンがでかい。 食べきれないと思ったが、結局、食べてしまった。なかなか美味しかった。 会場の近くにはあまりいい食事処がないと思っていたのだが面白い店を見つけた。 少なくとも、いつも忘年会で使っている、 洋食屋の入り口から入り蕎麦屋の出口から出るという奇妙な店より気にいった。 この次はライスでカレーを食べてみよう。カレーの種類はいろいろあるようで、 あの日本語のうまい店員さんに聞けば、 日本人向けにアレンジしてない本物のネパールカレーを教えてくれるかもしれない。
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Date: 2012/02/08(水)
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